介護保険サービスだけでなく、周辺業務を自費サービスとすることで収益を高めることは有益です。

自費サービスとは?

例えば理容室への付き添いや旅行への同行などは介護保険の適用対象となりません。しかし一部の人には非常に求められるサービスです。このように提供しているサービスの周辺業務として、介護事業所が希望者に実費で提供するサービスを自費サービスと言います。

 

訪問介護の自費サービス

訪問介護事業者が行う自費サービスとして一般的なものに、同居家族の部屋の掃除や、有料職業紹介所の許認可を取っての家事代行業などがあります。注意すべき点は、訪問介護の許認可における人員基準で、この基準には配置義務があり、常勤専従規定であるサービス提供責任者が継続反復して自費サービスを担当すると、専従ではなく兼務となり役所から指導されます。また、家事代行業との類似サービスを勇勝で提供する場合、有料職業紹介所の許認可を受けないとできない場合があるので注意が必要です。

 

通所介護の自費サービス

通所介護の自費サービスは、お泊りサービスや延長サービス、そしてお試し利用などが一般的です。これらは介護報酬料金の10割負担での提供が原則です。このため、ケアプランの指定日以外に、1回数千円の料金で、介護保険の利用者と一緒にサービスを提供する場合に不当に値引きすると役所から指導を受けるので注意が必要です。またサービス提供時間中に、あん摩等を有償で提供することは禁止されています。

 

自費サービス提供の注意点

自費サービスは、介護保険の対象サービスとは全く別の事業です。このため毎月の勤務表や実績表は、介護保険事業とは別に作成する必要があります。契約書関係、請求書、領収書等も介護保険サービスとは別に作成しなければなりません。会計帳簿も別部門として介護サービスと分けて経理することが求められます。またサービス提供時間に専従規定のある職員に自費サービスを担当させると兼務になり、人員基準違反となります。

 

自費サービスの必要性

単独の事業や顧客に依存する経営は、経営環境が変わった時のリスクが非常に高いものです。特に介護保険サービスのように定期的に制度改正が行われ、かつ定員や基準に縛りがある業態ではなおさらです。自費サービスを提供することで、複数の経営の柱ができますので、経営上のリスクが分散されます。また、比較的自由度が高いのでアイデアを生かした収益アップも期待できます。自費サービスは単なる副業と考えずに、一つの事業部門として、しっかりと取り組むべきです。