数ある高齢者向け住宅のうち、サービス付き高齢者向け住宅が最も注目されています。

サービス付き高齢者向け住宅とは?

民間ベースの介護施設として

サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)は、2011年10月の高齢者住まい法改正により、それまでの高専賃に代わって新設された許認可制の高齢者住宅です。
厚生労働省と国土交通省の合同事業であり、10円間で60万戸の整備を目標とした国家事業です。

 

許認可事業

サ高住は、一部屋当たり25㎡の居住面積、バリアフリー化、1日複数回の安否確認と生活相談を担当する有資格者の職員の配置などの要件を満たしたうえでの許認可事業となります。

また補助金を利用する場合は、事前の届出等の取得要件を満たし、サ高住の運営を10年以上継続することが必要です。

 

地域包括ケアの具体的実践

介護保険制度は地域包括ケアの構築に向かっています。
この地域包括ケアの柱となるのは、サ高住であると言っても過言ではありません。
特に医療法人が手掛けるサ高住は、地域包括ケア概念の三本柱である「医療・介護・住まい」の一体提供が、単独の事業として唯一可能となります。
民間が手がける場合は、どうしても医療の提供はテナント化指定病院としての定型しか選択はありません。
この意味で医療法人が手がけるサ高住には際立った優位性があります。

 

医療からの高齢者住宅の視点

サ高住では、国が推進する地域包括ケアを担うという、地域密着の大義があります。
また年間305億(2018年度)という巨額の補助金と優遇税制は、確実に利回りを1~2%アップさせます。
診療報酬の低下で悩む医療経営にとって、不動産収入、診療報酬、介護報酬を一体的に見込めるサ高住の運営は、訪問診療、患者の囲い込み、ベッドコントロール、退院患者の受け皿などにおいても、非常に有効な選択肢となります。
特に入院3か月継続後も在宅での受け入れ先がなく、長期間にわたって入院を継続する高齢者の患者増に悩む病院にとっては、起死回生の手段となります。