介護保険事業の運営とサービス利用者

介護保険事業はどのように運営されていますか?

介護保険料と公費が介護保険事業の財源です

介護事業者は保険者である市町村などからの介護給付と利用者からのサービス利用料によって様々な介護サービスを提供しております。この介護給付の財源は、被保険者からの介護保険料と国・都道府県・市町村からの公費(税金等)になります。

介護保険における介護給付を円滑に実施する為の介護保険事業は、介護サービスの利用予測等に基いて、市町村ごとに運営されます。そのため市町村ごとに設定される65歳以上の被保険者の介護保険料は介護保険事業の財政状況によって決定されます。

その地域に居住する被保険者の数や収入等により保険料収入が左右されるため、市町村によって保険料に差が生じます

 

財源構成はサービスによって異なる

介護給付の財源は介護保険料と公費ですが、その財源は構成は介護サービスの種類によって異なります。

居宅サービスと

地域支援事業の介護予防・日常生活支援総合事業では国が公費の12.5%ずつを負担するのに対して、施設サービスでは施設サービスの指定・監督権者である都道府県の負担が増加しています。

また、介護給付や介護予防給付におけるサービスでは介護保険料と公費の割合が5対5である一方、地域支援事業の包括支援事業と任意事業は、80%近くが公費によってまかなわれています。

介護サービスの利用者数は増えていますか?

国は介護保険事業報告で利用者数を把握しています

国は保険事業を適切に運営する為、保険者からの報告数値を全国集計した介護保険事業状況報告によって、要介護・要支援者の数や介護サービスの利用状況等を把握しています。

2015年度の介護保険事業状況報告によれば、要介護者または要支援者と認定された人の数は600万人を超えています。

最も増加しているのは要介護1と要支援1.2の認定者であり、要介護52000年度と比較して2倍弱に増えています。特に75歳以上は全体の2割強が要介護認定を受けています。

 

給付金ベースで多いのは、施設、訪問、通所サービスです

介護給付費等実態調査では、受給者1人あたりの費用額、介護給付費ベースでの介護サービス利用状況などを発表しています。

各年4月審査分の受給者1人あたりの費用額は、2002年の約168千円をピークに、2006年には約145千円まで急減した後増加し、2017年には約191千円となっています。

介護給付費ベースで利用が多いのは、介護給付におけるサービスで施設サービスと通所サービス、介護予防給付におけるサービスで通所サービスです。

その為、厚生労働省はこれらのサービスの給付を抑える施策を立てています。